ーヨーロッパからの書のたよりー 書とわたし 本文へジャンプ
書展


5月25日、やっと学生の書をアップしました。現代書も見てください。

取りあえずあるものの中から入れてみたので、ちょっとお恥ずかしいのですが。
作品はほとんど日本なので、両親、とくに写真が趣味の父に世話になり、電脳写真を撮ってもらいました。ありがとうね。押入れをひっくり返してダンボールの中から探してもらったのですが、臨書が多くて、創作や現代的なのがみつからなかったようです
これから、ホームページ作りより書作品の制作に力を入れて、随時更新していきますので、がっかりされた方もちょくちょく覗いて見てくださいね。説明も書き足して行きます。
また、イタリアで教えていたときの学生の作品コーナーもあります。
わたしの書

オランダ人など日本人以外の方にも、書を習って欲しいので、書の雰囲気を伝えるため今回「書」を様々な字体で書いてみました。 卒業作品の屏風です。変体仮名は使っていますが、現代的な仮名を目指したもの。
かの有名な額田王君と大海人皇子の恋歌です。「茜さす紫の野ゆきーーーー」なので、その色と不倫にふさわしい紫の料紙を使いました。


草書 たぶん「書譜」 行書「争座位稿」
(顔真卿)
行書の基本「蘭亭叙」
                           
楷書の基本「九成宮」より 草書「十七条」
動きのある草書らしい連面の妙
行書
創作の仮名 (短冊) 優美な平安仮名 仮名「寸松庵色紙」
                           


一字の書
これは草書で「幹」
オランダ名で同じ意味のスタム氏にプレゼントしました。学科の長、まさしく幹で上司だった背の高い彼のイメージに合わせて書きました。
(羊毛筆)
「墨象」すなわちイメージを表現したアートな書です。
文字通り、思いっきり破れているでしょうか。
偶然うまく墨が飛び落ちたのも効果的に。
最後の払いで、筆を思い切り開かせ割り、勢いよくかすれさせ、力強さを出しました。
(濃墨)
あなたはこの書からどんな波をイメージされましたか。
ポイントは墨色とにじみ。
紙と淡墨の相性がよくないとうまくにじみません。小さくてよくわかりませんが、サンズイ偏の1,2画目が水滴のようにきれいに滲みました最後の払いでうねりのイメージを。
春のおだやかに、優雅にうねる波です。
(羊毛筆、淡墨)



イタリアで教えていたときの学生の作品です。

(一番いいものは、持ち帰っていて、いらないものを、なかには捨ててあったものを何かのためとわたしが取って置いたものだということをお断りしておきます。
 展覧会の写真が日本にあるはずなので、いずれご紹介しますね)

学生の書

授業は1回1時間半。年間約25回のコースです。
学生は大部分、日本語を教えていたミラノ市立東洋アフリカ語学校の学生
(高卒以上ぐらいから老人までいろいろ)ですが、
地域新聞等でも知らせていたので、外部からの学生も1割ほど。
画家などのアーティストも来ていました。なかには美大の先生も。
画家の方は、筆を使い慣れているので、上達が早いです。
昼と夜に教えていて、学生は1クラス15人ぐらい。
ずっと続けてくれる学生が半分ぐらいいたのが、うれしかったです。
書をすると心が落ち着くの、というその中の学生の言葉が心に残っています。
 創作

 日本の書道教室では、お手本を見て書くことが中心ですが、わたしは早くから創作をさせています。
 自分が手本通り、きれいに書くのが楽しくなかった経験も踏まえてなんですが。
 初めて書をする方の4回のワークショップでも、最終日には創作を加えます。
 初心者の楷書でも、楷書なりの創作ができるのです、
 自分の書を少しでも楽しんでもらえたらと思ってます。

 
    



1年目の学生の初めての創作(年度末)。淡墨の使い方を指導したのでこの色です。様々なイメージの月ができました。 同じく1年目の学生。書体字典をコピーして渡して、参考にしています。たくさん花の字を書いて、お花畑を表現する学生も出てきます。外人の方が自由で囚われがない気がします。
長く続けている学生の創作


 臨書
1年目の楷書のまとめ。すばらしい起筆、終筆、はね、はらい。楷書らしくかっちり書けてます 丸みを帯びたひらがなは行書への橋渡し。力強い線質の1年目の作
2年目の行書作品。
かすれがきれいに出ているのはストロークの勢いよさと紙の選択ため。
なんと学校のトイレの手拭用のリサイクルペーパーのキメの荒さが生んだ傑作。
紙に苦労する海外ならではの思わぬ効果でした。
2年生。荒いところはありますが、行書のリズムをうまく出しています。 彼の場合5,6年目から仮名を始めました。これは仮名2年目の中字。